Genius Scanは、スキャナアプリを勧めるのに飽きた人が最後に勧めるスキャナアプリです。速くて、余計な口出しをせず、だいたいどこへでも書き出せます。だから代わりを探しているとしても、たぶん期待を裏切られたからではありません。自分の側の事情が変わったからでしょう。
iPhoneがほぼ自力でできることに、もうお金を払いたくないのかもしれません。パスポートや医療関係の手紙のスキャンは、iPhoneの中に置いておきたいのかもしれません。あるいは、まめにスキャンしてきた人が必ず行き着く地点に着いたのかもしれません。きれいでまっすぐで完璧に書き出されたPDFが千件あるのに、どれが食洗機の保証書なのか分からない、という地点です。
この三つは別々の悩みです。それぞれについて、正直な乗り換え先をお伝えします。
手放すことになるもの
まずは認めるべきところから。Genius Scanは速く、ページの検出は安定していて、束をまとめて処理しても文句を言わず、すでに使っているサービスへスキャンを送れます。仕事などで大量にスキャンする方には、以下の無料の選択肢はどれもここまで滑らかには感じられないはずなので、決める前にPaperlockとGenius Scanの比較を読んでみてください。Genius Scanの言い分を、私たちにできる限り公平に書いています。
そのうえで、代わりの選択肢を見ていきましょう。
無料:もうiPhoneに入っているスキャナ
iPhoneはアプリを一つも入れずに書類をスキャンできます。場所は二か所です。
- メモ: メモを開いてカメラのアイコンをタップし、書類をスキャンを選びます。縁を検出し、ページをまっすぐに直し、複数ページを一つのスキャンにまとめます。人に見られたくない内容なら、そのメモをFace IDでロックしましょう。
- ファイル: 任意のフォルダで三点メニューをタップし、書類をスキャンを選びます。PDFがそのフォルダにそのままできあがります。
アカウントもサブスクリプションも不要で、自分で共有しない限りスキャンはiPhoneの中に留まります。たまの申込書やレシート、手紙なら、多くの人がGenius Scanでやっていたことはこれで足ります。iPhoneで書類をスキャンする方法に手順をひとつずつ、見栄えをよくするコツも含めてまとめました。
引き換えになるのは、その後に起きることです。名前を付けるのも、置き場所を決めるのも、思い出して探し当てるのも自分。そしてそれが、三つめの悩みにつながります。
ほかのスキャナアプリ
標準機能ではなく専用のスキャナが欲しいなら、こんな顔ぶれです。
- Adobe Scan はAdobeアカウントがあれば無料で、ページの補正がうまく、AdobeのPDFの世界に流し込むために作られています。初期設定ではスキャンがAdobeのクラウドへ向かいがちなので、そうしたくなければその設定を確認してください。
- SwiftScanとScanner Pro は、Genius Scanと同じ階級の商用スキャナアプリです。手早い撮影、まとめてスキャン、編集、どこへでも書き出し。同じ種類のアプリを違う手触りで使いたいなら、この二つを試してみてください。
- CamScanner はこの中でいちばん歴史が長く、機能も最も豊富ですが、そのぶん手軽さには欠けます。大量にスキャンする人が好むのは、まさにその機能の多さです。
- Google Drive と OneDrive はそれぞれ自分のアプリの中でスキャンできて、書類の行き先がもともとそこだったのなら、これがいちばん手軽な答えです。
どれを使うにしても、個人的な書類をスキャンする前に二つ確かめてください。アカウントが必要かどうかと、スキャンが初期設定でどこへ行くかです。
困っているのが作ることではなく、見つけることなら
ここが、Genius Scanにもこのページのどのスキャナにも当てはまる境界線です。アプリの仕事は、ファイルが保存された瞬間に終わります。手元に残るのは書類の写真で、写真より鮮明で、下に検索できる文字が入っていることもあります。ただし、それを読んだ人はどこにもいません。
だから「保証はポンプまで見てくれるのか」「去年の秋、動物病院にいくら払ったのか」という問いが出てきたとき、PDFを一つずつ開くことになります。検索は語句を突き合わせられても、質問には答えられないからです。
Paperlockは、スキャナが終わるところから始まります。自動トリミングと複数ページに対応したスキャンもできますし、ファイルやメール、写真からPDFや画像を取り込めるので、Genius Scanから書き出したものもそのまま入れられます。書類が中に入ると、こうなります。
- しまうだけでなく、読み取ります。 Paperlockはその書類が何で、どこから来て、日付や金額はいくらで、いつ期限が切れるのかを、手書きからでも読み取り、分かりやすいタイトルを付けます。フォルダも名前付けも不要です。
- 尋ねるだけで見つかります。 普通の言葉で聞けて、どの答えにも根拠になった書類が添えられ、なければ「保管庫にはありません」と正直に答えます。それがPaperlockの仕組みです。
- 期限は勝手に面倒を見てくれます。 リマインダーを一度オンにすれば、日付のあるものは30日前と7日前に知らせてくれますし、パスポートや身分証は6か月前にも教えてくれます。多くの人が最初にありがたみを感じるのは保証書の山です。
- きちんと施錠されています。 iPhone上で暗号化され、開くときにFace IDが必要で、身分証や医療関係の書類は、もう一度確認するまでサムネイルがぼかされたままです。アカウントはありません。
一方で、量産用のスキャナではありません。毎週紙の束をスキャンする方は、取り込み口としてスキャナを残しつつ、あとで見つける必要がある紙にPaperlockを使ってください。スキャンとはPDFのことで、PaperlockはPDFを取り込めるので、二つはきれいにつながります。
並べて比べる
| Genius Scan | Appleのメモ/ファイル | ほかのスキャナアプリ | Paperlock | |
|---|---|---|---|---|
| 料金 | 商用 | 無料、標準搭載 | Adobe Scanはアカウントがあれば無料、ほかは有料 | 25件まで無料、Plusは月$4.99または年$39.99 |
| アカウントの要否 | 初回起動時に確認を | 不要 | たいてい必要 | 不要 |
| まとめてスキャン | とても得意 | 一度に一件ずつ | 得意から非常に得意まで | 複数ページ対応、ただし量産向きではない |
| スキャンの置き場所 | アプリ内と、書き出した先 | 共有しない限りiPhoneの中 | アプリ内、多くはそのクラウドにも | iPhone上で暗号化、iCloud同期は任意 |
| あとで見つけられるか | スキャン内の語句を完全一致で検索 | メモやファイルの検索 | スキャン内の語句を完全一致で検索 | 普通の言葉で質問でき、答えに書類が添えられる |
| 日付・金額・期限を読み取るか | いいえ | いいえ | いいえ | はい、自動で |
| 向いている人 | 大量の書類を速く確実にスキャンしたい人 | 手早く、人に渡さない単発のスキャン | 同じ仕事を違う手触りでしたい人 | あとで見つけて内容を把握したい個人の書類 |
スキャンを移す
どれを選ぶにしても、まずは書類を外に出しておきましょう。
- PDFとして書き出す。 多くのスキャナアプリと同じく、Genius Scanも書類をPDFや画像として共有・書き出しできます。大事なものをファイルアプリのフォルダに保存してください。二度と開かないものについては、正直になりましょう。
- 写真アプリを確認する。 写真ライブラリにスキャンを保存したことがあるなら、それはもう外に出ています。Paperlockのカメラロール検索なら、あとから写真の中の書類だけを拾い出して候補を見せてくれますし、取り込むのは承認したものだけで、元の写真を消したり変えたりはしません。
- 取り込む。 メモやファイルに入れるなら、ただのファイルです。Paperlockに入れるなら、ファイルアプリからPDFを共有すれば、入ってくる途中で読み取られて整理されます。
そのあとGenius Scanを残すかどうかはお好みで。悪いのはこのアプリではありませんでした。ただ、書類の悩みが本当に始まる地点で、仕事が終わってしまうだけなのです。