Adobe Scanは、大手が出している二つの無料スキャナのうちの一つで、Microsoft Lensが提供終了になった今、残っているのはこちらだけです。ページの補正はうまく、下にある文字も読み取り、料金はかかりません。では、なぜ代わりを探すのでしょうか。

たいていは二つのうちのどちらかです。きれいな控えが欲しいだけなのに、アカウントにサインインしてパスポートの写真をどこかのクラウドへ送りたくない。あるいは、一年まじめにスキャンし続けて全部きれいなPDFになっているのに、今まさに壊れたものの領収書だけが見つからない。

これは別々の悩みです。それぞれに正直にお答えします。

Adobe Scanの良いところ

離れる前に、何を置いていくことになるのかを知っておいてください。Adobe ScanはAdobeアカウントがあれば無料で、ページの補正は屈指の出来ですし、書類の行き先がAdobeのPDFの世界なら、その言葉をそのまま話せます。その世界で暮らしている方にとっては、値段で勝つのは難しいはずです。そもそも値段がないのですから。このあたりはPaperlockとAdobe Scanの比較で、そのまま使い続けたほうがいいのはどんな人かも含めて詳しく書いています。

Adobe Scanに限らずこの手のアプリで確かめるべきなのは、会社ではなくクラウドのほうです。初期設定で各スキャンが最終的にどこへ行くのか、そしてあとでそこから削除するにはどうするのか。もう把握していて、それで納得しているのなら、代わりのアプリは要らないかもしれません。

アカウントもクラウドも要らない:もうiPhoneに入っているスキャナ

iPhoneは何年も前からアプリなしで書類をスキャンできます。場所は二か所です。

  • メモ: メモを開いてカメラのアイコンをタップし、書類をスキャンを選びます。縁を見つけ、ページをまっすぐに直し、複数ページを一つのスキャンにまとめます。そのメモはFace IDでロックできます。
  • ファイル: 任意のフォルダで三点メニューをタップし、書類をスキャンを選びます。できあがったPDFは、そのフォルダにそのまま置かれます。

サインインも、サブスクリプションも、インストールも不要で、自分で共有しない限りスキャンはiPhoneの中に留まります。「この書類のきれいな控えが欲しい」という用途なら、多くの人がAdobe Scanでやっていたことはこれで足ります。逆にまったくやってくれないのが、スキャンした後のすべてです。名前を付けるのも、置き場所を決めるのも、思い出して探し当てるのも自分。そのバランスはPaperlockとメモの比較できちんと扱っています。

ほかのスキャナアプリ

標準機能ではなく専用のスキャナが欲しいなら、こんな顔ぶれです。

  • Genius Scan、SwiftScan、Scanner Pro は、量をさばくために作られた商用のスキャナアプリです。まとめてスキャン、編集、好きなサービスへの書き出し。アカウントが必要かどうか、スキャンが初期設定でどこへ行くかはまちまちなので、初回起動時に確認してください。
  • CamScanner はこの中でいちばん歴史が長く、機能も最も豊富です。書庫をデジタル化する人が好むのは、まさにその点です。
  • Google DriveOneDrive はそれぞれ自分のアプリの中でスキャンできます。Adobe Scanを離れる理由がクラウドだったのなら、これは大家が変わるだけの同じ取引なので、ほかのすべてをすでに預けている相手のときにだけ意味があります。

どれを使うにしても、身分証をスキャンする前に一度通しておきたいのがスキャナアプリは安全かのチェックリストです。

困っているのが作ることではなく、見つけることなら

ここが、Adobe Scanにも上のどのスキャナにも当てはまる境界線です。アプリの仕事は、ファイルが保存された瞬間に終わります。手元に残るのは書類の写真で、写真より鮮明で、運がよければ下に検索できる文字も入っています。ただし、それを読んだ人はどこにもいません。

だから「保証はポンプまで見てくれるのか」「パスポートの期限は結局いつなのか」という問いが出てきたとき、PDFを一つずつ開くことになります。検索は語句を突き合わせられます。でも、質問には答えられません。

Paperlockは、スキャナが終わるところから始まります。自動トリミングと複数ページに対応したスキャンもできますし、ファイルやメール、写真からPDFや画像を取り込めるので、Adobe Scanから書き出したものもそのまま入れられます。書類が中に入ると、こうなります。

  • しまうだけでなく、読み取ります。 Paperlockはその書類が何で、どこから来て、日付や金額はいくらで、いつ期限が切れるのかを、手書きからでも読み取り、分かりやすいタイトルを付けます。フォルダも名前付けも不要です。
  • 尋ねるだけで見つかります。 普通の言葉で聞けて、どの答えにも根拠になった書類が添えられ、なければ「保管庫にはありません」と正直に答えます。それがPaperlockの仕組みです。
  • 期限は勝手に面倒を見てくれます。 リマインダーを一度オンにすれば、日付のあるものは30日前と7日前に知らせてくれますし、パスポートや身分証は6か月前にも教えてくれます。
  • アカウント不要で、プライバシーの考え方が違います。 書類はiPhone上で暗号化され、Face IDの内側に置かれます。ページがPaperlockのサーバーへ送られるのは、読み取りや質問への回答に必要なあいだだけで、そこに保存されることはありません。機密性の高い書類は、Face IDでもう一度確認するまでサムネイルがぼかされたままです。

一方で、量産用のスキャナでもPDFの編集ソフトでもありません。毎週紙の束をスキャンする方は、取り込み口としてスキャナを残しつつ、あとで見つける必要がある紙にPaperlockを使ってください。スキャンとはPDFのことで、PaperlockはPDFを取り込めます。

並べて比べる

Adobe Scan Appleのメモ/ファイル ほかのスキャナアプリ Paperlock
料金 Adobeアカウントがあれば無料 無料、標準搭載 ほとんどが有料 25件まで無料、Plusは月$4.99または年$39.99
アカウントの要否 必要 不要 初回起動時に確認を 不要
スキャンの置き場所 初期設定ではAdobeのクラウド、設定を確認 共有しない限りiPhoneの中 アプリ内、多くはそのクラウドにも iPhone上で暗号化、iCloud同期は任意
ページ補正とPDF機能 とても優秀 必要十分 得意から非常に得意まで 主眼ではない
あとで見つけられるか スキャン内の語句を完全一致で検索 メモやファイルの検索 スキャン内の語句を完全一致で検索 普通の言葉で質問でき、答えに書類が添えられる
日付・金額・期限を読み取るか いいえ いいえ いいえ はい、自動で
向いている人 Adobeの世界へ無料でスキャンしたい人 手早く、人に渡さず、アカウントなしで済ませたい人 大量のスキャンとPDF作業 あとで見つけて内容を把握したい個人の書類

スキャンを持ち出す

どれを選ぶにしても、まずはAdobe Scanから書類を外へ出しておきましょう。Adobeのクラウドに置かれてきたのなら、なおさらです。

  1. PDFとして書き出す。 大事な書類を一件ずつ共有・書き出しして、ファイルアプリのフォルダに保存します。二度と開かないものは飛ばしてかまいません。
  2. 写真アプリを確認する。 写真ライブラリにスキャンを保存したことがあるなら、それはもう外に出ています。Paperlockのカメラロール検索なら、あとから写真の中の書類だけを拾い出して候補を見せてくれますし、取り込むのは承認したものだけで、元の写真を消したり変えたりはしません。
  3. 取り込む。 メモやファイルに入れるなら、ただのファイルです。Paperlockに入れるなら、ファイルアプリからPDFを共有すれば、入ってくる途中で読み取られて整理されます。
  4. そのうえでクラウドをどうするか決める。 離れる理由がプライバシーだったのなら、書き出したファイルがきちんと開くことを確かめてから、Adobeのクラウドにある控えを削除しましょう。

Adobe Scanは良い無料スキャナですし、これからもそうであり続けるでしょう。ただそれは「この紙をどうやってiPhoneに入れるか」という問いに答えたところで止まります。私たちの時間を本当に奪っている問いは、「それは今どこにあって、何が書いてあったのか」のほうです。