年末調整で勤務先に出す書類は、自分で書く申告書と、外から届く証明書の2つに分かれます。申告書は、全員が出す扶養控除等(異動)申告書と基礎控除・配偶者控除等などの兼用申告書、該当者が出す保険料控除申告書と住宅借入金等特別控除申告書。証明書は、生命保険・地震保険・国民年金などの控除証明書、住宅ローンの年末残高証明書(2年目以降)、年内に転職した人の前職の源泉徴収票です。国民年金の控除証明書は、令和8年分では10月中旬から11月上旬にかけて届きます。会社の締切は多くの場合11月。この記事では、届く順に書類を並べ、なくしたときの再発行、マイナポータル連携で省ける紙、年末調整ではできない控除をまとめました。
- 10月上旬〜生命保険・地震保険の控除証明書が保険会社から届き始める
- 10月中旬〜11月上旬国民年金保険料の控除証明書(1〜9月納付分)が日本年金機構から届く。電子データは10月中旬〜下旬
- 10月〜11月住宅ローンの年末残高証明書が金融機関から届く(2年目以降の人)
- 11月(会社の締切)申告書と証明書を勤務先に提出
- 12月の給与過不足の精算。源泉徴収票は翌年1月31日までに交付
出典:日本年金機構「令和8年分控除証明書の送付予定」、国税庁。保険会社の時期は会社により異なる。2026年10月確認。
届く順に見る:10月から11月
保険会社の控除証明書は、10月上旬から各社が順に発送します。生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除、地震保険料控除の証明書で、契約ごとに1枚です。契約者と支払者が違う場合(配偶者名義の保険を自分が払っている)も、支払っている人の控除に使えます。
国民年金保険料の控除証明書は日本年金機構から届きます。令和8年分の送付予定は、1月1日から9月30日までに納付した人には、電子データが10月中旬から10月下旬、紙の証明書(はがき)が10月下旬から11月上旬にかけて順次。10月1日以降に初めて納付した人は、翌年1月下旬から(電子データ)または2月上旬(紙)です。電子データの対象者には紙は郵送されません。自分の分だけでなく、家族の国民年金保険料を払っている人はその分も控除できるので、家族宛てのはがきも集めます。
住宅ローンの年末残高証明書は、借入先の金融機関から10月〜11月に届きます。住宅ローン控除は初年度だけ確定申告で、2年目以降は年末調整で受けられます。税務署から送られてくる数年分の住宅借入金等特別控除申告書と一緒に出します。初年度の手続きは住宅ローン控除の必要書類にまとめています。
前職の源泉徴収票は、年内に転職した人だけ。前の会社は退職の日以後1か月以内に交付する義務があるので、届いていなければ催促します。
会社に出す申告書:全員の2枚と、該当者の2枚
- 国民年金:ねんきんネットか電話で再交付ねんきんネットの再交付申請は受付から1週間程度で発送。電話は自動音声の送付受付サービス
- 生命保険・地震保険:保険会社のマイページか電話サイトからのダウンロードや郵送での再発行。方法は会社ごとに異なる
- 住宅ローン:借入先の金融機関年末残高証明書の再発行。インターネットバンキングで出せる銀行もある
- マイナポータル連携に対応していればデータで取得発行主体が対応している場合、紙の再発行を待たずに証明書データを取得できる
- 会社の締切に間に合わないなら確定申告で年末調整で漏れた控除は翌年の確定申告で受けられる
| 書類 | 誰が | 添える証明書 |
|---|---|---|
| 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 | 全員 | なし(扶養家族の所得は見込みを記入) |
| 基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書 | 全員 | なし |
| 給与所得者の保険料控除申告書 | 保険料を払っている人 | 生命保険・地震保険・国民年金・小規模企業共済などの控除証明書(原本) |
| 給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書 | 住宅ローン控除2年目以降の人 | 年末残高証明書(原本) |
申告書の様式は国税庁の「年末調整がよくわかるページ」で最新版が公開され、会社の給与システムや国税庁の年調ソフトで電子的に作る会社も増えています。扶養控除等申告書は翌年分を同時に書かせる会社が多く、翌年の毎月の源泉徴収額に関わります。
控除証明書をなくしたとき
国民年金は、ねんきんネットの「通知書の再交付申請」から申請すると、受付から1週間程度で発送されます。ねんきんネット以外では「ねんきん自動音声送付受付サービス」で再発行を受け付けています。生命保険・地震保険は、保険会社のマイページからPDFをダウンロードできる会社もあり、電話などで郵送の再発行を頼めます(方法は保険会社ごとに異なります)。住宅ローンは借入先の金融機関で再発行し、インターネットバンキングから出せる銀行もあります。
いちばん大事なのは、会社の締切に間に合わなくても控除は消えないことです。年末調整で漏れた控除は、翌年の確定申告で受けられます。慌てて不備のある書類を出すより、確定申告に回すほうが確実なこともあります。
マイナポータル連携で省ける紙
国税庁のマイナポータル連携は、年末調整や確定申告のときに、保険料控除証明書や住宅ローンの年末残高証明書などのデータをマイナポータル経由で一括取得し、申告書の該当項目に自動入力する機能です。勤務先が年末調整の電子化に対応し、保険会社などの発行主体が連携に対応していれば、紙の証明書を待たずに済み、転記ミスもなくなります。
使うには、マイナンバーカードとマイナポータルの利用者登録、保険会社などのデータを受け取るための登録(方法は保険会社や民間送達サービスごとに異なる)が事前に必要です。対応していない保険会社の分は、サイトからデータをダウンロードして年調ソフトに読み込むか、紙で出します。国民年金の控除証明書も電子データで受け取る設定にしておけば、同じ流れで取り込めます。
年末調整ではできない控除
医療費控除、ふるさと納税などの寄附金控除、雑損控除は、年末調整では受けられず、確定申告が必要です。住宅ローン控除の初年度も確定申告です。医療費控除の領収書は確定申告期限から5年間、税務署に提示を求められることがあり、ふるさと納税の受領証明書とワンストップ特例は翌年1月10日が区切りなので、年末調整の書類と混ぜずに別に管理します。
年末調整が終わると、翌年1月31日までに源泉徴収票が交付されます。確定申告をする人、住宅ローンや保育園の手続きで所得を証明する人は、これを使います。源泉徴収票の保管期間は年金記録の照合にも関わるので、長く残す価値があります。
証明書を11月まで散らばらせない
手でやるなら、10月になったら「年末調整」と書いた封筒を1つ用意し、届いた控除証明書を開封したその日に入れ、同時にスマホで1枚撮っておきます。保険の契約数と証明書の枚数が合うか、国民年金のはがきが家族分届いたかを11月初めに確認します。
Paperlockに控除証明書を入れておけば、保険会社名、証明書の種類、申告額を読み取って整理し、「今年の生命保険料控除証明書は全部そろった?」「地震保険の控除額は?」と聞けば、該当する証明書を添えて答えます。前職の源泉徴収票や年末残高証明書も同じ場所に入れておけば、会社に出す前にPDFで書き出してまとめられます。
提出期限と様式は勤務先の案内が優先です。制度の変更点は毎年秋に国税庁の「年末調整がよくわかるページ」で公開されるので、書き始める前に一度確認してください。