個人が源泉徴収票を何年保管しなければならないか、という定めは、私が確認した国税庁の案内には見当たりませんでした。ただ、手続のできる期間にあわせると5年が目安になります。還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間、更正の請求は法定申告期限から原則5年以内に出せるからです。確定申告書への源泉徴収票の添付や提示は不要ですが、申告書を作るときには手元に必要です。
- 5年還付申告を出せる期間(その年の翌年1月1日から)
- 5年更正の請求ができる期間(法定申告期限から)
- 1月31日勤務先が源泉徴収票を渡す期限年の途中で退職したときは退職の日以後1か月以内
- 添付不要確定申告書への添付・提示作成するときは手元に必要
出典:国税庁(タックスアンサー No.2030、No.2026、No.7411、確定申告の手引き)。2026年10月確認。
源泉徴収票を渡すのは勤務先の義務
源泉徴収票は、勤務先が作って、受け取る人に渡す書類です。国税庁のNo.7411によると、交付の期限は次のとおりです。
- 原則:その年の翌年の1月31日まで
- 年の途中で退職した人:退職の日以後1か月以内
税務署に提出するかどうかの基準とは別に、受け取る人すべてに渡すことになっています。ですから「うちの会社はもらっていない」というのは、本来はおかしなことです。それでも期限を過ぎて受け取れていない場合は、税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を出せます。ただし、この届出はまだ受け取っていない人のための手続で、いったん交付された源泉徴収票の再発行は対象外と案内されています。
添付は不要、でも作るときは必要
- 年の途中で退職退職の日以後1か月以内に勤務先が交付
- 翌年1月31日までそれ以外の人は勤務先が交付
- 翌年の確定申告申告書を作るときに手元に必要(添付は不要)
- 転職したとき新しい勤務先の年末調整で前職分を使う
- 5年還付申告・更正の請求ができる間は保管の目安
国税庁の案内から編集。保管の目安は法律上の義務ではなく、手続のできる期間にあわせたものです。
2019年4月1日以後の確定申告では、給与所得の源泉徴収票の添付や提示は要らなくなりました。国税庁の確定申告の手引きにも、「申告書については、源泉徴収票等の添付又は提示は不要です」とあります。ただし続けて、税務署などで申告書を作成するときは、源泉徴収票等を忘れずに持参するよう書かれています。
自分で入力するときも同じです。源泉徴収票に書かれた支払金額や源泉徴収税額をもとに、申告書の金額を入力するからです。ですから、申告が終わるまでは必ず手元に置いておきます。
「5年」の理由
では、なぜ5年なのか。国税庁のページから、二つの手続の期間がわかります。
- 還付申告:確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出できます。確定申告の期間を過ぎてからでも出せる、というのがポイントです。
- 更正の請求:申告した内容が間違っていて税金を払いすぎていた場合に、原則として法定申告期限から5年以内に請求できます。
つまり、5年のあいだは、昔の年分の収入と源泉徴収税額を確認しなおす可能性がある、ということです。これが「保管の目安は5年」と書く理由です。法律で個人に5年の保管を義務づけているわけではないので、あくまで手続のできる期間にあわせた目安として読んでください。
転職したときに使う
- 勤務先に再発行を頼む前の勤務先でも、総務・経理に連絡して再交付を依頼します。
- マイナポータル連携を確認勤務先がe-Taxなどで税務署に提出していれば、e-Taxのメッセージボックスで内容を見られます。
- 確定申告書等作成コーナーで入力源泉徴収票の内容をもとに、画面から直接入力します。
- それでも出ないとき税務署に相談します。交付済みの再発行は「不交付の届出」の対象外です。
年の途中で転職した人は、新しい勤務先の年末調整で、前の勤務先の源泉徴収票が要ります。国税庁のNo.2674では、前の勤め先の給与や源泉徴収された税額を、前の勤め先の源泉徴収票で確認するとされていて、確認できないときは年末調整ができず、自分で確定申告をすることになると書かれています。転職したら、前の会社の源泉徴収票を新しい会社に出す分と、自分の控え分を分けておくと慌てません。
なくしたときは、まず勤務先に頼む
源泉徴収票は勤務先が発行する書類なので、紛失したときは勤務先に再発行を頼むのが基本です。前の勤務先でも、総務や経理に連絡して再交付を依頼します。国税庁の案内でも、すでに渡した源泉徴収票を直す場合は、勤務先が正しい内容で作り直し、「再交付」と表示して改めて渡すことになっています。
急ぐときは、別の方法もあります。勤務先が源泉徴収票をe-Taxなどで税務署に提出していれば、マイナポータル連携を使って、e-Taxのメッセージボックスから給与所得の源泉徴収票の情報を確認できます。条件があるので、確定申告書等作成コーナーの案内で確かめてください。条件を満たさない場合は、勤務先から受け取った源泉徴収票をもとに、画面から直接入力する形になります。
手でやるなら、そしてPaperlockなら
手で保管するなら、受け取ったらすぐに写真を撮って、「確定申告」のような名前のフォルダに年ごとに入れ、紙は封筒にまとめておきます。何年分を残すかは書類を何年とっておくか、申告のときに揃える書類は確定申告の必要書類にあります。還付申告をいつまでにすればよいかは確定申告の還付はいつを見てください。
Paperlockに源泉徴収票を入れておけば、勤務先や支払金額、日付を読み取って自動で整理し、「去年の源泉徴収票を出して」のように聞くと、元の書類をつけて答えます。期限のある書類は、通知をオンにしていれば30日前と7日前に知らせます。
税務の判断が必要な場合は、最寄りの税務署または税理士に確認してください。