ふるさと納税で控除を受ける方法は2つあります。ワンストップ特例は、確定申告をしない給与所得者などで寄附先が5団体以内の人が、寄附のたびに寄附先の自治体へ申告特例申請書を出す方法で、翌年度の住民税から全額が控除されます。申請書は寄附した年の翌年1月10日までに届くようにします。確定申告をする人は、寄附先の自治体が発行する寄附金受領証明書(またはポータルサイトが発行する寄附金控除に関する証明書)を添えて申告します。控除を受け損ねる原因は、申請書の出し忘れと証明書の紛失の2つにほぼ集約されます。この記事では、どちらの方式を選ぶか、期限、証明書をなくしたとき、保管期間をまとめました。

ワンストップ特例の時計(寄附した年を基準に)
  1. 寄附したとき寄附先の自治体に申告特例申請書を提出(紙かオンライン)
  2. 寄附後〜翌年1月1日住所や氏名が変わったら変更届を準備
  3. 翌年1月10日変更届の法律上の期限。申請書もこの日必着と案内する自治体やポータルサイトが多い
  4. 翌年1月11日〜31日寄附先の自治体が住所地の市区町村に申告特例通知書を送る
  5. 翌年6月〜翌年度分の住民税から全額が控除される(所得税からの控除はない)

出典:総務省ふるさと納税ポータルサイト、地方税法附則第7条。2026年10月確認。

どちらの方式か、先に決める

どちらの方式? 3つの数字
  • 5団体以内ならワンストップ特例を使える(同じ自治体に複数回は1団体)6団体以上に申請すると特例は適用されず、確定申告が必要
  • 2,000円自己負担。寄附額からこれを引いた分が控除の対象上限額は所得と家族構成で決まる
  • 3月15日確定申告をする人の期限(寄附した年の翌年)。還付申告は5年間ワンストップを申請していても確定申告すると特例は無効になる

出典:総務省、国税庁。2026年10月確認。

総務省の案内では、ワンストップ特例を申請できるのは確定申告の不要な給与所得者等で、寄附先の自治体が5団体以内の人です。同じ自治体に複数回寄附しても1団体と数えます。特例が適用されると所得税からの控除はなく、全額が翌年度分の住民税から控除されます。

次の人は最初から確定申告に一本化します。医療費控除や住宅ローン控除の初年度で確定申告をする人、6団体以上に寄附した人、副業などで申告義務がある人。ワンストップ特例を申請していても、確定申告をすればその申請は無効になるので、申告書には全件を書きます(書き漏らしたら更正の請求で直せる場合があります)。確定申告の期限は寄附した年の翌年3月15日で、還付申告なら5年間できます。

ワンストップ特例の期限:翌年1月10日

確定申告で控除を受けるときに手元に要るもの

申告特例申請書は、寄附のたびに寄附先の自治体へ提出します。紙の郵送のほか、令和4年中の寄附からは一部の自治体でマイナンバーカードを使ったオンライン申請もできるようになりました(対応状況は寄附先に確認)。地方税法附則第7条は、申請後に住所・氏名などに変更があった場合の変更届の期限を申告特例対象年の翌年1月10日と定め、総務省の通知も、自治体は1月10日まで変更届が出る可能性があるため、住所地の市区町村への通知を1月11日以降1月31日までに送るとしています。法律上、申請書そのものは「寄附の際」に出すものとされ、日付の期限は書かれていません。ただ、この通知の流れに合わせて、申請書も翌年1月10日必着と案内する自治体が多いので、寄附先の案内で受付期限を確認してください。

年末に駆け込みで寄附する人ほど、申請書が年明けに届くので危ない。12月の寄附はオンライン申請に対応した自治体を選ぶか、申請書を年内に投函するか、どちらかにしてください。引っ越しで住所が変わったら、同じ1月10日までに変更届を出します。出さずに通知が1月1日時点の住所地と違う市区町村に届くと特例はなかったものとされ、確定申告が必要になります。

確定申告に要る証明書:2種類ある

寄附金受領証明書は、寄附先の自治体が寄附1件ごとに発行する紙の証明書で、返礼品とは別に届きます。寄附件数が多いと枚数も増えます。

寄附金控除に関する証明書は、国税庁長官の指定を受けたポータルサイト運営事業者が、その年にそのサイトを通じて行った寄附をまとめて1枚で証明する電子データです。国税庁の確定申告特集でも、マイナポータル連携を使うとこの証明書等のデータをマイナポータル経由で取得し、申告書に自動入力できると案内されています。複数のサイトを使った人はサイトごとに1枚ずつになります。

どちらを使っても控除額は同じです。受領証明書を使う場合は原本を申告書に添付(e-Taxなら添付省略・5年保存)、電子証明書を使う場合はデータを読み込みます。確定申告の必要書類も参照してください。

証明書をなくしたとき

受領証明書は寄附先の自治体に再発行を依頼します。対応は自治体ごとに違い、年明けの繁忙期は時間がかかります。ポータルサイト経由の寄附なら、サイトのマイページから寄附金控除に関する証明書を発行するほうが早く、紛失した個別の受領証明書の代わりになります。

寄附の記録が分からなくなった人は、クレジットカードの明細、サイトの寄附履歴、自治体からの返礼品の案内メールから寄附先と金額を再構成できます。e-Taxで添付を省略した場合、税務署から提示を求められることがあるので、証明書は申告後も残します。

保管期間と、年末調整との関係

寄附金受領証明書は、確定申告書の添付書類として法定申告期限から5年が保存の目安です。e-Taxで添付を省略した場合も同じ期間、提示を求められれば出せる状態で持っておきます。家庭の書類の保管期間に、ほかの税務書類と一緒にまとめています。

ふるさと納税の控除は年末調整では受けられません。会社に受領証明書を提出しても処理されないので、ワンストップ特例か確定申告のどちらかで自分で手続きします。年末調整の必要書類に出す書類とは別物として管理してください。

控除の上限額は所得と家族構成で決まり、上限を超えた寄附は自己負担になります。総務省のポータルサイトの目安表で確認してから寄附額を決めるのが基本です。

証明書を散らばらせない

手でやるなら、寄附するたびに「寄附先・日付・金額・申請書を出したかどうか」を1行メモし、届いた受領証明書はその日に撮影して「ふるさと納税」のアルバムに入れます。紙の原本は封筒1つにまとめ、年明けに枚数とメモの行数が一致するか確かめます。

Paperlockに受領証明書を入れておけば、自治体名、寄附日、金額を読み取って整理し、「今年のふるさと納税は合計いくら?」「〇〇市の受領証明書はある?」と聞けば、該当する証明書を添えて答えます。ワンストップの申請書の控えも一緒に入れておくと、出し忘れた自治体がすぐ分かります。

制度の細部や上限額は毎年見直されます。寄附の前に総務省のポータルサイト、申告の前に国税庁の確定申告特集で最新の案内を確認してください。