銀行口座の開設に必要なものは、顔写真付きの本人確認書類1点(運転免許証、マイナンバーカード、在留カード、パスポートなど)と、印鑑を使う金融機関なら届出印、それだけです。普通預金口座へのマイナンバーの届け出は任意で、求められるのはNISA口座や特定口座のように税務の手続きが絡む口座を同時に開くときです。金融機関が本人確認をするのは犯罪収益移転防止法で決められた「取引時確認」のためで、確認する項目は氏名・住所・生年月日、取引の目的、職業です。書類の種類と住所の一致さえ押さえれば、窓口でもアプリでも一度で終わります。
- 1点顔写真付きの本人確認書類があれば足りる運転免許証・マイナンバーカード・在留カード・パスポートなど
- 2点顔写真のない書類だけなら、組み合わせや追加確認が要る資格確認書+住民票の写しなど。金融機関により扱いが違う
- 任意普通預金口座へのマイナンバーの届け出NISA・特定口座など税務の手続きがある口座は告知が必要
出典:犯罪収益移転防止法施行規則、デジタル庁(預貯金口座付番制度FAQ)、国税庁(NISA口座の手続)。2026年10月確認。
開設の流れと、時間がかかるところ
- 金融機関と口座の種類を決める普通預金だけか、投資用の口座も同時に開くかで持ち物が変わります
- 本人確認書類を用意する有効期限内で、住所が今の住民票と一致しているものを
- 窓口かアプリで申し込むアプリ申込みではカードの撮影やICチップの読み取りで本人確認します
- キャッシュカードや通帳を受け取る転送不要の郵便で届くのが一般的。住所が違うと届きません
- 控えを残す口座番号・届出印・申込書の控えを撮影して一か所に
窓口なら、本人確認書類の提示、申込書の記入、届出印の押印で、その日のうちに口座番号が決まります。通帳を発行する金融機関では通帳もその場で渡されますが、キャッシュカードは後日、転送不要の簡易書留で届くのが一般的です。アプリでの申込みは、本人確認書類をカメラで撮影するか、マイナンバーカードや在留カードのICチップをスマートフォンで読み取る方式が中心で、金融庁もこうしたオンラインで完結する本人確認方法を認めています。ただし金融庁の案内では、2027年4月1日以降のオンライン本人確認はICチップ情報や電子証明書を使う方法が前提になるため、券面の撮影だけで済む申込みは減っていく見込みです。
時間がかかるのは、たいてい書類そのものではなく、住所の不一致です。本人確認書類の住所が住民票と違うと、郵便物が届かないので開設が止まります。引っ越したばかりなら、先に運転免許証の住所変更かマイナンバーカードの住所変更を済ませてから申し込むのが近道です。
本人確認書類として使えるもの
犯罪収益移転防止法施行規則は、本人確認書類を「顔写真があるもの」と「ないもの」に分けています。顔写真があるものは1点で足り、ないものは別の書類との組み合わせや、取引関係の書類を転送不要郵便で送る追加の確認が要ります。
| 区分 | 書類の例 | 窓口での扱い |
|---|---|---|
| 顔写真あり(1点で可) | 運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカード、在留カード、特別永住者証明書、パスポート(住所の記載があるもの)、写真付きの身体障害者手帳など | 原本を提示すればその場で確認が終わる |
| 顔写真なし(組み合わせが要る) | 健康保険の資格確認書、介護保険の被保険者証、母子健康手帳、住民票の写し、印鑑登録証明書など | もう1点の書類、または転送不要郵便での追加確認 |
| 補完書類 | 公共料金・社会保険料・税の領収書、納税証明書など(発行や領収の日付から6か月以内のもの) | 単独では使えず、上の書類に添える |
2020年2月4日から交付が始まった新しい様式のパスポートには所持人記入欄(住所欄)がないため、パスポートだけでは住所の確認ができず、住民票の写しや公共料金の領収書などを添えることになります。マイナンバーカードを本人確認だけに使う場合、金融機関が確認するのは表面で、裏面の個人番号を控えることはできません(投資口座などで番号の告知を受ける場合は別です)。詳しくはマイナンバーカードのコピーと保管にまとめました。
マイナンバーは「任意」、ただし投資口座では必須
預貯金口座へのマイナンバーの付番は、デジタル庁の案内のとおり本人が任意で届け出る制度です。届け出ておくと、相続のときは一つの金融機関の窓口から付番された口座の所在をまとめて照会でき、災害のときも口座の所在を確認しやすくなります。届け出は金融機関の窓口のほかマイナポータルからもでき、一部の金融機関を除いて、預金保険機構を通じて複数の金融機関に一度に届け出ることもできます。付番しても預金残高が国や自治体に通知されるわけではありません。
一方、NISA口座を開くときは、国税庁の案内のとおり、本人確認書類の提示とあわせてマイナンバーの告知が必要です。特定口座など、税の手続きがある取引も同じです。銀行アプリで「投資も同時に申し込む」にチェックを入れた瞬間に番号が必要になる、と覚えておくと迷いません。番号を証明する書類はマイナンバーカードか、個人番号が記載された住民票の写しです。通知カードは2020年5月25日に廃止されており、記載内容が住民票と一致している場合に限って使えます。
外国人の口座開設:在留カードと、確認されやすい項目
在留カードは顔写真付きの本人確認書類で、1点で足ります。ただ、多くの金融機関は在留カードの提示に加えて、在留期間の残り、勤務先や学校、日本での居住期間を確認します。入国から間もない時期は開設を受け付けない金融機関や、送金機能に制限をつける金融機関もあります。事前に外国人向けの案内ページを読み、必要なら勤務先の在籍証明や学生証も持っていくと手戻りがありません。
在留カードの住所は、引っ越しから14日以内に市区町村で変更の届出をすることになっています。カードの裏面に新住所が追記されていないと、ここでも郵便が届かず止まります。期限の管理は在留カードの更新のページを参照してください。
よくある不備と、その直し方
- 本人確認書類の有効期限が切れている:期限切れの免許証やパスポートは使えません。更新してから申し込みます。
- 住所が違う:住民票を移していない、免許証の裏面に追記がない、というのが典型です。住民票の写しは発行から6か月以内のものを求める金融機関が多いです。
- 氏名の表記が違う:旧姓や通称名で申し込むと、本人確認書類と一致せず止まります。
- 印鑑がゴム印:インク内蔵のゴム印は印影が変わるため、届出印として断られます。
- 取引目的・職業の記入漏れ:取引時確認の項目なので、空欄のままだと受け付けられません。
開設後に残しておく書類
口座番号が分かる通帳またはキャッシュカード、届出印、申込書の控え、そして本人確認に使った書類の写し。この4つを一か所に置いておくと、住所変更や相続のときに探し回らずに済みます。手で残すなら、通帳の表紙と1ページ目、カードの表面、届出印の印影を撮影し、「銀行」とだけ書いたアルバムに入れておきます。
Paperlockに入れておけば、撮った書類が何の書類で、どの金融機関のものかを読み取って自動で整理し、「ゆうちょの口座番号は?」のように聞けば該当する書類を添えて答えます。本人確認書類の有効期限も読み取り、通知をオンにしていれば30日前と7日前、身分証は6か月前にも知らせてくれるので、次の口座開設のときに期限切れで止まることがなくなります。
必要書類の細部は金融機関ごとに違います。迷ったら、申し込む先の「口座開設に必要なもの」のページで最終確認してください。