マイナンバーカードは、表面は身分証明書、裏面は個人番号という2つの顔を持つカードです。表面は運転免許証と同じように、身分証明書の写しとしてコピーしてかまいません。裏面の個人番号は、番号法で定められた手続き(勤務先への提出、税や社会保険、金融機関の支払調書など)以外では、事業者がコピーすることも書き取ることもできません。これは個人情報保護委員会がQ&Aで明示しているルールです。自分のカードを自分のスマホに撮って持つのは自由ですが、送るときは「どの面を求められているか」で分けます。この記事では、コピーを求められる場面、スマホで持つときの安全な方法、ケースやラミネートの扱いを順に説明します。

コピーのルール、3行で
  • 表面身分証明書の写しとしてコピーしてよい個人情報保護委員会 Q6-13
  • 裏面番号法で定められた場面以外ではコピーも書き取りも不可見えただけなら違反にならない(Q6-12)
  • 2020年5月25日通知カードは廃止。番号の証明はカードか番号入りの住民票で記載内容が住民票と一致していれば従来の通知カードも使える

出典:個人情報保護委員会 特定個人情報Q&A、デジタル庁 マイナンバーFAQ、番号法第19条・第20条。2026年10月確認。

結論:表面は身分証、裏面は「法律で決まった場面」だけ

番号法第19条は特定個人情報の提供を、第20条は収集・保管を、法律で認められた場合に限っています。個人番号は裏面にあるので、裏面のコピーはそのまま「個人番号の収集」になります。個人情報保護委員会のQ6-13は、カードの表面は身分証明書として広く使われることを想定しており写しを取ってよい一方、番号法で定められた場合以外に裏面の個人番号をコピーすることはできないと答えています。

逆に、提示されたカードの裏面が意図せず見えてしまっただけなら収集に当たらず、違反ではありません(Q6-12)。ただし見えた番号を書き取ったりコピーしたりすれば収集に該当します。デジタル庁のFAQも、法令で定められた手続き以外で事業者がカードを身分証として確認する場面では、裏面の番号を書き写したりコピーしたりすることはできない、としています。

コピーできる場面・できない場面

裏面(個人番号)の提出を求められるのが正当な場面
場面 表面 裏面(個人番号)
携帯電話・レンタル店・ホテルなどの身分確認 可 不可
銀行の普通預金口座の開設(付番しない) 可 不可
勤務先への提出(源泉徴収・社会保険) 可 可(番号確認のため必要)
税務署・市区町村への申告・届出 可 可
証券口座・NISA口座、保険の支払調書 可 可
自分の控えとして自分で撮る 可 可

事業者が番号を取得するとき、デジタル庁のFAQでは表面は交付時のカードケースに入れたままのコピーでよく、裏面は番号を表示してコピーする扱いが示されています。表面には臓器提供意思表示欄など機微な情報もあるためです。

裏面の提出が正当な場面と、求められたときの確認

自分のスマホに控えを持つときの手順
  1. 表面と裏面を別々に撮る送るときに表面だけを選べるようにするため
  2. ロックのかかる場所に入れる写真アプリに置きっぱなしにしない。Face IDで開く書類アプリか、非表示アルバムに
  3. 送るのは求められた面だけ身分証として使うなら表面のみ。裏面は番号法上の手続きのときだけ
  4. 期限を控えるカード本体は18歳以上なら発行から10回目の誕生日(18歳未満は5回目)、電子証明書は年齢に関係なく5回目の誕生日まで

勤務先や税務署、年金・雇用保険の窓口、証券会社は、番号を取得するときに「番号確認」と「身元確認」の両方を行います。マイナンバーカード1枚で両方が済むので、裏面と表面を一緒に求められるのは正当です。

一方、身分証として提示するだけの場面で裏面まで求められたら、「表面だけでお願いします」と言ってかまいません。すでにコピーされてしまったなら、裏面の廃棄か差し替えを申し出ます。応じてもらえない場合の相談先は、個人情報保護委員会の「マイナンバー苦情あっせん相談窓口」です。

自分のスマホに写真で持つのは問題ない?

問題ありません。番号法第20条の収集・保管の制限は「他人の個人番号を含むもの」に限られているので、自分の番号を自分で保管するのは対象外です。ただ、スマホに置く以上は漏れ方に注意が要ります。

表面と裏面は別々の写真にします。身分証として送るときに表面だけを選べるからです。写真アプリに置きっぱなしにせず、Face IDで開く書類アプリか、少なくとも非表示アルバムに移します。メールやメッセージで送った後は、送信履歴の添付も忘れずに消します。iPhoneで書類を安全に共有する方法とFace IDで書類を守るに、設定の手順をまとめています。

通知カードは廃止済み:番号を証明するもの

紙の通知カードは2020年(令和2年)5月25日に廃止され、再発行はできません。手元にある通知カードは、氏名・住所などの記載が住民票と一致している場合に限って番号確認書類として使えます。引っ越しや結婚で記載が変わっていれば使えません。

番号を証明する書類は、マイナンバーカードか、個人番号が記載された住民票の写し(または住民票記載事項証明書)です。住民票の写しは請求時に「マイナンバー記載あり」を選ぶ必要があり、通常の手続きでは記載なしを求められることが多いので、用途を分けて取ってください。取り方は住民票の取り方にまとめました。

カード本体の持ち方:ケース、ラミネート、暗証番号

カードにはICチップと磁気ストライプが入っています。ラミネートやシール貼り、穴あけなど券面の加工はしないでください。読み取りができなくなれば再交付になり、紛失や破損による再交付は有料です。交付時に渡される半透明のケースは、表面の性別と裏面の個人番号を隠す目的で作られているので、そのまま使うのがいちばん簡単です。財布の後ろポケットに入れて座る、強い磁気の近くに置くといった扱いも避けます。

暗証番号は、券面に書かない、スマホのメモに「マイナンバー 暗証番号」と書いて置かない。4桁の利用者証明用と、6〜16桁の署名用の2種類があることだけ覚えておき、忘れたら市区町村の窓口で再設定できます。

なくしたとき・期限が来たとき

紛失したら、まず24時間受付の窓口で機能停止の連絡をし、警察に遺失届を出してから再交付を申請します。流れはマイナンバーカードを紛失したらに、カード本体(18歳以上は10回目の誕生日、18歳未満は5回目)と電子証明書(5回目の誕生日)の期限はマイナンバーカードの更新にまとめました。

控えを持つ手段として、Paperlockに表面と裏面を別々に入れておくと、どちらも身分証として扱われ、サムネイルはぼかされ、開くときにFace IDを求めます。有効期限を読み取って、通知をオンにしていれば30日前と7日前、身分証として6か月前にも知らせます。コピーを求められたときは、表面だけをPDFで書き出して送れます。

事業者側の取り扱いの細部は、個人情報保護委員会の「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」とQ&Aで確認してください。