退職後の手続きは、書類が届くのを待つものと、待たずに動くものが混ざっています。待つのは離職票(会社が退職日の翌々日から10日以内にハローワークへ届け出た後に届く)と源泉徴収票(退職後1か月以内に交付)。待たないのは健康保険と年金で、国民健康保険と国民年金の切り替えは退職日の翌日から14日以内、協会けんぽの任意継続は20日以内です。失業給付の受給期間は離職日の翌日から1年で、これを過ぎると残りの日数があっても受けられません。この記事では、会社から受け取る書類の一覧、期限ごとの手続き、届かないときの対応、そして次の会社や確定申告でその書類をどう使うかをまとめました。

退職日からの時計
  1. 退職日の翌々日から10日以内会社がハローワークに資格喪失届を出す。離職票はその後に会社経由で届く
  2. 退職日の翌日から14日以内国民健康保険への加入と、国民年金(第1号)への切り替えを市区町村で
  3. 退職日の翌日から20日以内協会けんぽの任意継続を選ぶならこの日まで(土日祝なら翌営業日)
  4. 退職後1か月以内会社は給与所得の源泉徴収票を交付する義務
  5. 離職日の翌日から1年失業給付(基本手当)を受けられる受給期間。過ぎると残りの日数があっても受けられない

出典:厚生労働省、ハローワークインターネットサービス、日本年金機構、協会けんぽ、国税庁。2026年10月確認。

会社から届く書類と、届く時期

会社から受け取る書類(届かなければ催促する)

離職票。 正式には雇用保険被保険者離職票で、離職票-1(口座などを書く)と離職票-2(離職理由と賃金が書かれている)の2枚です。会社は退職日の翌々日から10日以内にハローワークへ雇用保険被保険者資格喪失届を出し、ハローワークが発行した離職票を会社経由で本人に渡します。離職票の交付を希望すると伝えたのに翌々日から10日を過ぎても届かないときは、会社に処理状況を確認します。会社が手続きしない、督促しても届かない場合は、身元確認書類と退職が分かる書類(退職証明書など)を持って住所地のハローワークに相談してください。

雇用保険被保険者証。 入社時に発行され、会社が保管していることが多い小さな紙です。次の会社の雇用保険の手続きで使うので、返してもらいます。ハローワークは、できれば在職中に被保険者証の有無を確認するよう案内しています。

源泉徴収票。 年の途中で退職した人には、会社は退職の日以後1か月以内に給与所得の源泉徴収票を交付する義務があります。退職金があれば退職所得の源泉徴収票も同じ期限です。期限を過ぎても交付されないときは、税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を出す手続きがあります。

健康保険資格喪失証明書。 国民健康保険に入るとき、家族の扶養に入るときに提出を求められます。通常は会社に発行を頼みます。何で代えられるかは提出先(市区町村など)で確認してください。

14日以内:国民健康保険と国民年金

退職日の翌日に、会社の健康保険と厚生年金の資格を失います。空白を作らないために、市区町村の窓口で2つの手続きをします。

国民健康保険の加入。 国民健康保険法施行規則第3条により、資格を取得した日から14日以内に世帯主が市区町村に届け出ます。健康保険資格喪失証明書(または退職日が分かる書類)、本人確認書類、マイナンバーが分かるものを持参します。保険料は前年の所得で決まり、退職直後は想定より高くなることがあるので、下の任意継続と比べて選びます。

国民年金への切り替え。 日本年金機構の案内では、第2号被保険者から第1号被保険者への種別変更は退職日の翌日から14日以内に、住所地の市区役所・町村役場で行います。基礎年金番号またはマイナンバーが分かる書類と、退職日が分かる書類(離職票など)が必要です。電子申請もできます。配偶者を扶養していた場合は、配偶者の第3号から第1号への切り替えも同時に行います。基礎年金番号が分からないときは年金手帳と基礎年金番号通知書を参照してください。

20日以内:任意継続という選択肢

ハローワークの受給手続きに持っていくもの

資格喪失日の前日までに継続して2か月以上健康保険に加入していた人は、協会けんぽ(会社の健康保険組合の場合は組合)の任意継続被保険者として、2年間、退職前の保険を続けられます(途中で資格を失う場合もあります)。申請は退職日の翌日から20日以内で、20日目が土日祝日なら翌営業日まで。郵送なら20日以内に届く必要があります。提出先は住所地の協会けんぽ支部で、電子申請もできます。退職日が確認できる書類(離職票や退職証明書の写し)を添えると審査が早くなります。

在職中は会社と折半していた保険料を全額自分で負担します。協会けんぽの保険料は退職時の標準報酬月額に住所地の都道府県の保険料率をかけた額で、標準報酬月額は32万円が上限です(2026年10月時点)。原則として2年間変わりません。それでも国民健康保険の保険料と比べて安いことがあります。扶養家族が多い人は、任意継続なら家族の保険料がかからない点も比較材料です。健康保険証の有効期限とマイナ保険証もあわせて確認してください。

1年以内:失業給付の受給期間

基本手当(失業給付)を受けられる期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。所定給付日数が残っていても、この1年を過ぎた分は受けられません。離職票が届いたら、再就職が決まっていない場合は速やかに住所地のハローワークで求職の申込みと受給手続きをします。

病気、けが、妊娠・出産、育児などで離職日の翌日から1年以内に30日以上続けて働けないときは、延長を申請すると、本来の受給期間1年に働けない日数を加えられます。加えられるのは最大3年間です。申請は、30日以上働けなくなった日の翌日以降、早めに行うのが原則で、遅れると所定給付日数の全部を受けられないことがあります。定年退職などでしばらく休みたい場合の延長(最大1年)は、離職日の翌日から2か月以内に申請します。

受給手続きには、離職票-1と離職票-2、マイナンバーカード(または個人番号が分かる書類と身元確認書類)、写真2枚、本人名義の通帳かキャッシュカードを持参します。マイナンバーカードを提示すれば写真は省略できます。

次の会社、確定申告で使う書類

年内に転職したら、前の会社の源泉徴収票を新しい会社に提出し、年末調整で合算してもらいます。年内に再就職しなかった人、退職金の確定申告が有利になる人は、翌年の確定申告で源泉徴収票を使います。源泉徴収票の保管期間と再発行と確定申告の必要書類にまとめました。

雇用保険被保険者証と年金手帳(基礎年金番号通知書)は、次の会社の入社手続きで提出します。入社時に提出する書類の全体は新しい仕事を始めるときの書類を参照してください。

退職の書類を一か所にまとめる

退職後の数週間は、封筒が別々の日に届き、提出先もハローワーク、市区町村、協会けんぽ、次の会社と散らばります。手でやるなら、届いた書類をその日のうちに撮影し、「退職」のアルバムに入れ、提出した日と提出先をメモします。原本は提出するものと返してもらうものがあるので、提出前に必ず撮っておきます。

Paperlockに入れておけば、離職票、源泉徴収票、資格喪失証明書をそれぞれ何の書類か読み取って整理し、「離職票の離職日は?」「源泉徴収票の支払金額は?」と聞けば該当する書類を添えて答えます。期限のある書類は日付を読み取って保存し、通知をオンにしていれば30日前と7日前に知らせます。

手続きの細部は、ハローワーク、市区町村、加入していた保険者によって異なります。退職が決まったら、会社の人事担当に「退職後に受け取る書類と時期」を一覧で確認しておくと、催促のタイミングが分かります。