パスポートの更新は正式には「切替申請」といい、残存有効期間が1年未満になったとき、または査証欄の余白がなくなったとき等に申請できます。受け取りまでは多くの都道府県で6営業日ほど。ただし本当に気にすべき日付は有効期限そのものではなく、その6か月前です。
10年か5年か、選べる人と手数料
有効期間は10年と5年の2種類で、10年を選べるのは18歳以上です。18歳未満は5年のみになります(2022年4月の成年年齢引下げ以降)。
| 10年旅券 | 5年旅券(12歳以上) | 5年旅券(12歳未満) | |
|---|---|---|---|
| 選べる人 | 18歳以上 | 年齢を問わず選択可 | 12歳未満 |
| 手数料 | 16,000円 | 11,000円 | 6,000円 |
| 写真 | 6か月以内に撮影、規格あり | 同じ | 同じ(成長が早いので直近のものを) |
| 受領まで | 土日祝を除き6営業日ほどが目安 | 同じ | 同じ |
手数料は都道府県収入証紙と収入印紙で納付するのが基本ですが、納付の方法は窓口により異なります。金額と方法は申請前に外務省と都道府県の案内で確認してください。
子どもの5年旅券は、更新が家族の中で最初に来ます。家族分の期限は1か所にまとめておくと、渡航直前に慌てずに済みます。
切替申請に必要なもの
- 一般旅券発給申請書 — 窓口またはオンライン申請で。
- パスポート用写真 — 6か月以内に撮影したもの。背景や顔の大きさに規格があります。
- 現在のパスポート — 切替なので必ず持参します。
- 戸籍謄本 — 氏名や本籍に変更があった場合のみ。
- 住民票は原則不要です(住民基本台帳ネットワークで確認されるため)。
受け取りは本人のみです。代理人は不可なので、乳児でも窓口に連れて行くことになります。
日数の読み方が変わりました
2023年3月27日から、切替申請はマイナポータルからのオンライン申請ができるようになりました。申請だけがオンラインで、受領は窓口です。
さらに2025年3月24日から、旅券の作成を国内の一か所で行う方式に変わりました。このため交付までに従来より日数を要する場合があると外務省が案内しています。「前は1週間で出たから」という記憶で予定を組まず、余裕を持って申請してください。実際の日数は都道府県によって差があります。
写真で差し戻されないために
申請でつまずきやすいのが写真です。6か月以内に撮影したもので、背景、顔の大きさ、影の入り方に細かい規格があります。証明写真機のパスポート設定か、写真店で「旅券用」と伝えて撮るのが確実です。
自分で撮った写真をプリントして持ち込むと、規格外で撮り直しになることがあります。窓口に着いてから撮り直すと、その日のうちに申請できても余計な時間がかかります。子どもの写真は成長が早いので、6か月以内でもできるだけ直近のものを用意してください。
有効期限が残っていても入国できないことがあります
ここがいちばん引っかかるところです。多くの国は入国時にパスポートの残存有効期間が6か月以上あることを求めます。東南アジアの多くの国、中国、インドなどがそうです。有効期限まで4か月残っていても、その国の入国審査では足りません。
一方でハワイや米国本土は、日本の旅券であれば滞在予定期間をカバーしていれば足りるとされています。シェンゲン圏は出国予定日から3か月以上の残存に加え、発行から10年以内であることが条件です。
条件は国ごとに違い、変わることもあります。渡航先が決まったら、外務省の海外安全ホームページで国別の情報を確認してください。有効期限の確認方法と6か月ルールの解説、残存期間の計算も用意しています。
名前や本籍が変わったとき
結婚や転籍で氏名・本籍が変わった場合は、切替申請ではなく「記載事項変更旅券」の申請になることがあります。どちらの手続きになるかは変更の内容によるため、都道府県の旅券窓口で確認してください。この場合は戸籍謄本が必要です。
航空券の名義と旅券の表記が違うと搭乗できないことがあります。結婚と海外旅行が近い時期に重なるときは、どちらの名前で航空券を取るかを先に決めてから手続きの順番を組んでください。順番を間違えると、旅行そのものを取り直すことになります。
旧パスポートはどうなるか
切替後の旧パスポートは、失効処理として穴をあけたうえで返却されます。有効な査証(ビザ)が貼られている場合、新旧を併用できることがありますが、扱いは査証を出した国によります。該当する場合はその国の在日公館に確認してください。
穴があいた古い旅券は、過去の渡航歴の記録として残しておくと便利です。ビザ申請で過去の渡航歴を書かされたときに効きます。
保管の仕方
手でやるなら、更新した日にパスポートの顔写真ページを撮影して「重要書類」フォルダに入れ、カレンダーに2つ予定を入れます。ひとつは有効期限の6か月前(「渡航に使えなくなる日」)、もうひとつは有効期限の1年前(「切替申請ができるようになる日」)。家族分も同じ日にまとめて入れてしまうのがコツです。
同じことを手で覚えておかずに済ませるなら、Paperlockのような書類金庫アプリに顔写真ページを入れておく方法があります。有効期限を読み取って自動で整理し、期限の30日前と7日前に通知が届きます。パスポートと身分証はさらに早く、6か月前にも通知が来ます。通知をオンにすれば、あとは設定するものがありません。期限のまとめも使えます。
どちらの方法でも、実務のコツは同じです。残存9か月あたりで更新を考え始める。海外旅行が決まったら、まず出発日と有効期限を並べて見る。この2つで、空港で止められる事態はほぼ防げます。
手続きの詳細や手数料は改定されることがあります。迷ったら都道府県の旅券窓口に確認してください。